2014年5月30日金曜日

【本】10分で決める!シンプル企画書の書き方・つくり方

今回の書籍は「【第48回】企画書の骨組みを「5つのつぶやき」で決める」でも紹介した「10分で決める!シンプル企画書の書き方・つくり方」(藤木俊明 同文館出版)です。

本編でも紹介した通り、この本の優れている点は、企画のポイントを「5つのつぶやき」という形で分析し、企画書を作る初心者や、企画が苦手な人でもポイントを外さずに企画書のフォーマットができる仕組みを紹介している点でしょう。

また、「10分で決める企画書」というコンセプトで、ごちゃごちゃした企画書ではなく、ツボを抑えたシンプルな企画書作りにフォーカスしている点も分かりやすいと思います。

初心者向けの企画書の本はけっこうありますが、心構えとか考え方とか専門用語の説明とかが多い中、ステップバイステップで具体的かつ分かりやすいメソッドまで落とし込んだ本は意外に少ないのが実情です。
その中でもこの本は、初めて企画を考える学生さんにとって理解しやすく実践にも使える1冊ではないかと思います。(学校で企画を学んでない学生さんには特に)

2014年5月29日木曜日

【雑文】アフィリエイトについての説明を追加しました

そういえば、このBlogでのアフィリエイトについて全然説明してなかったのと、Kindleとか紀伊國屋とかのリンクを一元化するために「ヨメレバ」を使うことにして表示が変わったので、一応「このBlogについて」にアフィリエイトの説明を追加しました。
まあ、わざわざ読むほどの内容ではないですが、一応ご報告まで。

2014年5月28日水曜日

【第54回】まずは自分の企画を整理しよう!

さて、今回から「企画案の整合性や根拠をしっかりとしたものにする」方法について話していきます。
そして、またまた記入シートに沿って進めていきます。今回のシートは「企画リサーチシート」といいます。ゲーム企画をしたときに、しっかりとした整合性や根拠を考える為のシートです。

企画リサーチシートは今までのシートと違って数ページにわたっていますが、分かりやすいよう順に1枚ずつ提供して説明していきますので、安心してください。(すべての説明を終えた後でセットになったものも提供しようと思います)

最初はエレベータピッチという考え方でいま自分が考えている企画を整理します。企画リサーチシート01「1.まずは自分の企画を整理しよう!」をダウンロードしてください。

■企画リサーチシート01(Wordファイル、PDFファイル同梱)

エレベーターピッチというのは、「自分の商品やサービスを売り込みたい人に対して、エレベーターで一緒になる30秒程度でも説明できる内容にまとめる」というやり方です。
社長や営業先などとても忙しい相手に対して、限られた時間でどうアピールするかというニーズから生まれた手法で、それゆえにシンプルかつポイントを抑えた内容が要求される訳です。

エレベーターピッチはゼロから考えてもいいのですが慣れないとなかなか過不足なくというのが大変なので、ここではジェフリー・ムーアが『キャズム』という本で紹介しているフォーマットを使います。(ゲーム企画塾用に分かりやすいよう一部手を入れています)

下の説明を見れば、何を書かなければならないかだいたい分かるのではないでしょうか。ではさっそく記入してみましょう。

学生さんだと、おそらくいくつかの欄でどう書いていいか、もしくは何を書いていいか分からず手が止まってしまったのではないかと思います。
この1枚目のシートはまさにそこを理解させるためのシートですから、あまり気にせずに書ける範囲で書いてみてください。

どう書いていいか筆が止まってしまった人や、項目の意味をもう少し細かく説明して欲しい人向けに、次回以降で項目毎に記入内容について解説します。

2014年5月26日月曜日

【第53回】その企画案は整合性と根拠のあるものなのか

前回、1ページ企画案シートを記入して企画案を作成し、しかし最後に「この企画案には根本的な問題がある」と書きました。

「根本的な問題」とは何でしょうか。
それは、「この企画案が整合性や根拠のあるものかどうかをまったく検証していない」ということです。
第48回、第49回で考えた「5つのつぶやき」。これは思いついたものをつぶやくだけで企画の骨格になる優れたシステムです。
しかしながら、「おもいつき」にありがちな、自分の主観で考えすぎたり根拠が弱い、また整合性の検証不足、競合のリサーチ不足といった問題も発生しがちなのです。

そして、これらの部分は学生さんが企画書を作る際において、もっとも苦手なところです。
ゲーム専門学校のプランナー学科などでも、「ゲームのアイデアを考えること」と「企画書の見た目を整えること」はけっこう教えていますが、この「企画案の整合性や根拠をしっかりとしたものにする」は十分に教えられていない気がします。(「ウチはちゃんとやってるぞ!」という学校さんがあったらごめんなさい)

逆に言えば、ここをしっかりとしたものにすることで、あなたの企画書は他の学生よりワンランク上のものに仕上がるのです。
そこで次回からは「企画案の整合性や根拠をしっかりとしたものにする」ための具体的な方法について話していきましょう。

2014年5月23日金曜日

【第52回】「5つのつぶやき」を企画案シートにまとめる

さて、前回書いた「5つのつぶやき」を、今回は「1ページ企画案シート」というフォーマットに記入し、さらに肉付けしていきましょう。下からシートをダウンロードしてください。

■1ページ企画案シート(MS Word版とPDF版同梱)


まずは、「5つのつぶやき」の番号を書いている枠(実線で書かれている枠で番号が振られているもの)にそのまま書き写します。

その上で点線の枠を埋めていきます。
「タイトル」「ジャンル」「題材」「プラットフォーム」「提案者」「日付」はそれほど難しくないですね。
あ、「タイトル」は「RPGゲーム企画」とか「勇者クエスト(仮)」とかせずに、ちゃんと今自分が一番しっくりくるタイトルを決めましょう。
きちんとタイトルを決めるというのは意外にそのゲームの本質を考えるきっかけになります。

「具体的なゲーム内容」は「1.提案したいことを一言で述べると」を受けて、具体的にどんなゲームにするかという内容を書く部分です。
自分の考えているゲーム内容で、他のゲームや娯楽にない特長を3つ書いてみましょう。

「どんな人に向けたゲームか」はこのゲームのターゲットユーザーです。
どんな人にこのゲームを遊んでほしいか書きましょう。
ターゲットユーザーの話は「【第11回】ターゲットユーザーの考え方」「【第12回】ターゲットユーザーを広げすぎない」でもしましたので思い出してくださいね。

さて、記入が終わりましたでしょうか。見た目はともかく、なんか企画書っぽくなっていると思いませんか?
実際のところ、項目だけならこのシートはりっぱな企画書のフォーマットになっており、見た目を整えたり内容を膨らませるだけでちゃんと提出できる企画書に仕上げることができます。
しかし、この企画案には根本的な問題があるのです。
次回はその話をしたいと思います。

2014年5月21日水曜日

【第51回】予算と期日も考えてみよう

引き続き「5つのつぶやき」について具体的に解説していきます。

4.その「提案したいこと」にはどのくらいの予算がかかるか、をひとことで述べると?

『ゲーム企画塾』は学生の就職活動用企画書を作ることをイメージして話しているので、一見この項目は必要なさそうな気がします。
しかし、最終的に提出する企画書にこの項目がなくても、ここでは一度考えてほしいと思います。
というのは、「【第8回】学生にとっての「よい企画書」とは?」で述べたように、実現性を考える上で予算をイメージすることは無駄にはならないからです。

予算をイメージするのに比較的簡単な方法があります。
まず、1人が1ヵ月仕事をするコストを70万円とします。
70万円というのは、だいたいゲーム業界で1人1ヶ月の作業コストが50~100万と見なされることが多いのでその間を取っての値です。
(ちなみに「作業コスト=給料」ではありません。なぜそうなのかは『ゲーム企画塾』の本題から外れるので説明しませんが、気になる方はぜひ自分で調べてみてください)

次に、このゲームに必要な職種と期間をイメージして、その期間に70万円を掛ければ大枠の概算費用は出てきます。
例えばプランナー1人、シナリオ1人、プログラマー2人、グラフィック2人がずっと必要で、作るのに8ヵ月くらい掛かりそう。
サウンドも必要だが、期間は1ヶ月だけだとすると

サウンド以外 6人×8ヵ月×70万円=3,360万
サウンド   1人×1ヵ月×70万円=70万
計 3,430万

実際には、正確なスタッフ数と開発期間を想定するのはある程度経験が必要ですし、予算ももっとこまごまと発生しますが、まったくイメージしないよりははるかにマシです。
どうしても期間やスタッフ数がイメージできない場合には、同じくらいの規模のゲームを引き合いに出してみるのも有りです。(そのゲームの開発予算を調べて分かるとよりベター)
「○○と同じくらいのゲーム規模になると思われるので予算も同程度を考えている」

5.その「提案したいこと」はどれぐらいの期日でできるのか、をひとことで述べると?

4で期間ベースで予算を検討したので、自動的に期日もも決まります。
もし同程度のゲームを引き合いにしている場合は、5もそれに準じます。

さて、これで5つのつぶやきが完成しました!
次回はこのつぶやきを書類にまとめていきます。

2014年5月19日月曜日

【第50回】どうしてそう思うのか?どんなメリットがあるのか?

前回からの続きです。

2.どうしてそう思うのか、をひとことで述べると?

この項目は「企画の背景」になります。
なぜそのゲームが受け入れられたり売れたりすると思うのかということを一言で述べていきます。

前回例に出した猫RPGだったら
「猫好きな人は多く、猫の生態に興味を持っているから」
親子で協力する商売ゲームだったら、
「忙しい父親が限られた時間で子供とコミュニケーションが取れる手段を求めているから」
といったところでしょうか。

3.そうしたらどんなメリットがあるのか、をひとことで述べると?

この部分はその企画を実施した場合のメリットです。
メリットについては、「【第7回】問題解決の相手は誰?」で述べたように、対ユーザーと対売り込み先で変わって来ます。
ただ、多くの場合ゲームにおける【売り込み先のメリット】は売上げなので、学生の企画書を考えるレベルでは、ユーザーのメリットが売上げに繋がりそうであれば、無理に書く必要はないでしょう。あえて書くなら下のカッコ内のような書き方でしょうか。
「現実世界をベースにしながら猫の視点でのRPGで、見慣れた日常を違った視点で冒険する楽しさ(を提供し、猫好きのゲーマーにアピールする)」
「ファミコン世代の父親が、子供と協力するゲームでコミュニケーションと尊敬を勝ち取れる(ゲームを提供することで、親が買い与えやすい上に、親子で2本の売上げを期待できる)」

もし、【売り込み先のメリット】が、「一定期間までに発売して売上げを上げなければならない」「小ヒットでいいので、確実に利益がほしい」「ゲーム本体の売上げよりもキャラクターのアピールをしたい」といった、より踏み込んだ内容の場合はそれらを考慮する必要があります。
その場合は、ユーザーのメリットと売り込み先のメリットを分けて書いてかまいません。

2014年5月16日金曜日

【ヤナセコラム】学業をゲーム開発に活かす

私の周辺のアカデミックの世界ではよくDemo or Dieという言葉が使われます。
論文はもちろん重要だが、どれだけの実験データや論証よりも、デモをしてすぐに伝わる事が重要、というニュアンスの言葉です。
これは非常に重要な精神で、例えば就職活動などにおいても、どれほど自分が努力して来たか、情熱があるか、夢があるかという事を語るより自分で作ったデモを見せる方がずっと伝わるものがあります。

このデモというのはゲームには限りません。むしろ大学生、院生の場合は大学の研究成果の中でゲーム開発に活きそうなものを見せられると非常に強いです。学部生は自分の専門に学校でいちばん詳しく、院生は日本でいちばん詳しく、博士課程になると世界でいちばん詳しいなどと言われます。研究には新規性と有用性が非常に重要ですが、それがゲームにとって役に立つと納得してもらえれば、他に換えの効かない唯一無二の人材として迎えてもらえるでしょう。

とは言え、情報科学系でもなければなかなかストレートにゲームに活かせる研究成果というのは出せないかも知れません。その場合、武器となるのは自分の専門性を獲得する過程で身に付けた物の見方です。

例えばVRを勉強すると、同時に人間の認知や感覚の仕組みを学ぶ事になります。日々自分の見聞きした世界を、センサーの塊としての自分を軸に認識する事で、新しい刺激の与え方、新しい感じ方を発見出来るかも知れません。
同様に生物学を専門とすれば、マクロな生態系を軸とした見方をしていたり、逆にミクロな視点を持っていたりするかも知れません。
法学を学んだならば、ルールというものがどのように生まれ、どう人に作用するのか敏感になるでしょう。

学んだ専門によって、世の中や現実の現象をどうモデル化するか、という軸が変わり、そこにそれぞれの個性が出て来るわけです。

よくゲーム開発を職業としたい大学生に、専門学生やゲーム系の学科の学生と比べて不利ではないのかと聞かれる事があるのですが、制作経験やゲームとしての成果物を軸とするならば不利である事は否定できません。しかし、専門性という軸でみるなら、現場の誰も持っていない知見を持っていると考える事も出来ます。
例えばマクロ生物学を学んだ学生は、大きな視点で自然界を捉え、それをモデル化する事が可能です。それをシミュレーションゲームやパズルゲームなどに応用すれば、これまでになかったゲームが生まれるかも知れません。
また、シリアスゲームなどの場合単にゲームが作れるだけでは面白くても十分に効果のあるものを作る事は出来ません。例えば児童心理学やカウンセリングの知見を活かし、子供に学びを与えるコンテンツなどを設計しようと思ったら専門性は必要です。

ゲーム開発会社のスタッフは、ゲーム作りについてはプロです。学校でどんなにゲーム作りについて勉強しても、なかなか彼らを感心させるほどの事をするのが難しいでしょう。しかし、大学で学んだ専門に関しては学生の方がずっとプロフェッショナルである可能性が高いのです。そうした知見で作られたものは、ゲームとしては今一つでも「なるほど!」と言わせることが出来ます。そこからゲームを面白くする事は、プロなら出来ますが、まったく未知の知見を使ったゲームはなかなか出て来ないのです。
非ゲームの世界からゲーム会社を目指そう、という方はそこをスタート地点として意識すると良いでしょう。

特に様々なツールやゲームエンジンなどが充実してきている昨今、それらを使いこなす事が重要であると同時に、それ以外の部分で差がつくようになってきました。
新たなエンターテインメントを確立するのは、ゲーム以外のところからやってきた知見かも知れません。

2014年5月14日水曜日

【第49回】提案したいことをひとことで述べると?

さて、前回紹介した5つのつぶやきについて具体的に考えていきましょう。

1.提案したいことをひとことで述べると?

これは「一言でいえばこんなゲーム企画です」という「企画の骨子」です。

ここで重要なのは、プレイヤーに体験させたいイメージをしっかり入れておくことです。ゲーム企画の骨子というと、つい
「猫の世界で地域のボスを目指す猫RPG」
「子供が作った商品を父親がすれ違い通信で売って回る商売ゲーム」
などゲームの内容だけで終わりがちですが、その内容でどんな体験をさせたいのかまで踏み込んで書くことが大切です。

そこで、この一言を2つに分けると企画として考えやすくなります。

【こんなゲームを】を作り、【プレイヤーの体験】させること」

【こんなゲームを】はゲームの内容、【プレイヤーの体験】はそのゲームで感じてほしいユーザーの体験を書くわけです。
先ほどの例でいえば、
「猫の世界で地域のボスを目指す猫RPGを作り、誰もが知らない猫の視点を体験してもらう」
「子供が作った商品を父親がすれ違い通信で売って回る商売ゲームを作り、親子の協力で商売を上手く回しているタッグ感を感じさせる」
このように【プレイヤーの体験】を明確にしておくとゲームが目指すもののポイントがはっきりとしてきます。

2014年5月12日月曜日

【第48回】企画書の骨組みを「5つのつぶやき」で決める

さて、前回までの作業によって、この段階で「新しい題材のRPG」「親子で楽しめるゲーム」それぞれで1つずつの自慢のアイデアが上がっているはずです。
では、いよいよ企画書にまとめていく作業に入っていきましょう。

といっても、最初から本格的な企画書を作ろうとすると大変です。まずはシンプルな1ページの企画書を考えましょう。
私が学生さんに1ページの企画書を作る際にお勧めするのが『10分で決める!シンプル企画書の書き方・つくり方』(藤木俊明 同文館出版)という本に書かれている「5つのつぶやきから企画書の骨組みを作る」手法です。
この手法は企画書の書き方に慣れていない人でもポイントを外さないので、例えばゲーム関係の学校とかに行ってなくて、一度も企画書を書いたことのない人でも簡単に企画書の骨組みを作ることができます。
(この本はいずれ番外コラムでも紹介します)

では、具体的に「5つのつぶやき」を紹介しましょう。

1.提案したいことをひとことで述べると?
2.どうしてどう思うのか、をひとことで述べると?
3.そうしたらどんなメリットがあるのか、をひとことで述べると?
4.その「提案したいこと」にはどのくらいの予算がかかるか、をひとことで述べると?
5.その「提案したいこと」はどれぐらいの期日でできるのか、をひとことで述べると?

本はこれらのつぶやきを1つ70文字以内(twitter1回分のさらに半分!)で書くことを推奨しています。シンプルですよね?
でもこれだけで本当に企画書の骨組みはできてしまいます。

では、次回はこの「5つのつぶやき」を説明しながら、具体的に企画書の骨組みを考えましょう。

2014年5月9日金曜日

【補講】「福島GameJam」のパズルゲームと題材


ちょっと前の話になりますが、今年2014年2月8,9日に国立新美術館で第17回文化庁メディア芸術祭関連イベントとして「福島GameJam in 文化庁メディア芸術祭」が開催されました。
このときに製作されたパズルゲームが今まで話した題材論に近いものでしたので、今回の補講ではそれを話題にしたいと思います。
そのゲームとはアクションパズルの「Catch the 47」
基本的なシステムは、中心となるピースを動かし、飛んでくるピースとかみ合う部分に接触させキャッチしながら、どんどんピースの塊を大きくしていくゲームです。

以前話したようにパズルゲームはそもそも題材が設定しにくく、題材論的には不利なジャンルです。
しかし、「Catch the 47」は、それを
「福島県のピースをコアにして、飛んでくる他の都道府県ピースをキャッチして日本地図を完成させていく」
という「福島GameJam」のテーマに沿ったわかりやすいイメージに落とし込むことで、「一言で説明しやすい」パズルゲームに仕上げているのです。

この題材選択のうまさは「福島ゲームジャム in 文化庁メディア芸術祭」を取り上げた小野憲史氏の記事の中でも

“一方、同じくオブザーバとして参加し、「パックマン」の生みの親として有名な岩谷徹氏は、かつて作ったアーケードゲームの「フォゾン」を思い出したとコメントしました。幾何学的なパーツを組み合わせて、分子構造のような構造体を作るアクションゲームでしたが、題材が地味だったこともあり、「幻の名作」という扱いに・・・。「日本地図のように、もっとわかりやすい題材にすれば良かった」という岩谷氏のコメントは、最大限の賞賛だったと言えるでしょう。”

と紹介されています。

前も言ったように、パズルゲームはアイデアの核1つでゲームを設計しやすく、かつプログラムの手間も比較的かからないため、紙の上だけでなく実際に動くものを作りたい人にとっては挑戦しやすいジャンルです。
だからこそ、そのアイデアを伝えやすくする題材との組み合わせをしっかりと考えたいものです。

2014年5月7日水曜日

【第47回】親子向けの題材を決める

さて、第41回の「題材発想シート」にある「与えられた題材・ジャンル・テーマ」の欄に「親子でも楽しめるゲーム」と書いて、以前お話した流れに沿って題材を考えていきましょう。

①親子向けにおもしろそうな題材を100考える
②「理論編」で学んだことを元に題材として優れていそうなものを10個選ぶ
③10個の題材の魅力は何かをそれぞれ考え、魅力が活かせるおもしろそうなゲームシステムがイメージできるものを3つ選ぶ

ここまではRPGの時と基本的に同じです。

④その魅力やゲームシステムは親にとっても子供にとっても楽しいものかを考える
ここで③で抽出した魅力やゲームシステムと親子との親和性を考えます。
今回はRPGのようなゲームシステム的な縛りはないので、魅力に問題がなければゲームシステムを再考しても問題ありません。
逆に魅力が親と子どちらか一方であっても響かないと感じるようだったら、③に戻って次点の案をピックアップします。

⑤④を受けて、3つの中で一番自分がおもしろそうと思える題材を1つ選ぶ

はい、これで以前のRPGと合わせて、2つの企画向け題材がピックアップされました。
次回からは、いよいよこれを企画としてまとめていく作業に入ります。