2014年6月26日木曜日

【第62回】肯定的な情報ばかり探さない


問題点やその原因が正しいかどうかを調査していると、どうしても自分の企画に有利な情報だけを都合良くピックアップしたくなります。これは、プロのでもうっかりやってしまう。
自分の企画はどうしても愛着があるので、なんとか説得力を持たせようとして、つい都合の悪い情報は目をつぶりがちになるのです。
しかしながら、否定的な情報というのは、企画を通す場において相手からツッコまれる危険性のある情報でもあります。そういった情報をきちんと把握した上で対策や反論をあらかじめ持っていると、その企画は説得力が高くなります。

一番いいのは、最初から「肯定的な情報」「否定的な情報」の両方を意識的に探すことです。
Wordでも紙の上でもいいですが、ページを半分にして「肯定的な情報」「否定的な情報」と見出しを付けます。そして、調べた情報を記入していきます。
どちらかが少ない場合(たいてい「否定的な情報」ですが)、意識してそちらの情報だけを探すようにします。そうしたのち両方の内容を比較して、問題点やその背景についてについて誰もが同意できるものになっているか、否定的な情報に対してきちんと反論できるかを再考するのです

場合によっては否定的な情報の方が優勢で、問題点の前提がまったく成り立たなくなる場合もあります。その場合はスパッとその企画を諦めることです。
学生を見ていると、ここでつい現企画にこだわって「③どうなりたいのか・どうしたいのか?」を残したまま、逆算的に問題点を変更しようとしたり、、肯定的な情報を無理矢理探したりしたあげく、余計に整合性がとれなくなって時間を無駄にする場合が少なくありません。

それよりも、その時間を新しい企画を考える方に振り分けた方がはるかに建設的です。