2014年6月19日木曜日

【第61回】問題が正しいかどうかを調査する

前回の続きです。
「その問題が起こっている原因は何か?」という問いかけは、問題が正しいかどうか調査するきっかけにもなります。

例えば、石川企画の『グルメファイター』で、「①何が問題か?」が「父親は子供とのコミュニケーション不足に悩んでいる」というのは、一般のイメージからいくと、なんとなく正しいような気がします。
しかし、そこにデータ的な裏付けがあるかというと、けっこうその人固有の体験や世間のイメージに影響を受けている場合が少なくないのです。

「父親は子供とのコミュニケーション不足に悩んでいる」という問題についていえば
  • 実際にどのくらいコミュニケーションの時間を費やしているのか?
  • その時間は昔と比べて増加しているのか、減少しているのか?
  • 母親と比べてどうなのか?
  • 子供の年齢に応じてどう変わっているか?
  • どのようなコミュニケーションをしているのか?
  • コミュニケーション不足が起きているとしたら原因は何なのか?
あたりの調査が必要そうです。

今はインターネットで以前よりはるかに簡単に調査ができるようになりました。ただ、ネットの情報は玉石混淆で注意が必要です。
行政や大手企業、有名シンクタンクの調査は比較的信用のおけるものが多いですが、設問をきちんと見て「結論ありき」な調査になっていないかは注意する必要があります。
また、できれば同じような調査について、複数のソースを見つけられるとより確実性が高くなります。

逆に引用先が確認できないものは、たとえ役立ちそうであっても避けるべきです。
特に、「~という本にこう書いてありました」「この分野で有名な~さんがこう言っていました」系は、書いている人が自分に都合のよい解釈をしていたり、一部を恣意的に抜き出したりしている場合が多々あるので、本や発言そのものを自分でチェックできない限りソースとしては参考にしてはいけません。