2014年5月9日金曜日

【補講】「福島GameJam」のパズルゲームと題材


ちょっと前の話になりますが、今年2014年2月8,9日に国立新美術館で第17回文化庁メディア芸術祭関連イベントとして「福島GameJam in 文化庁メディア芸術祭」が開催されました。
このときに製作されたパズルゲームが今まで話した題材論に近いものでしたので、今回の補講ではそれを話題にしたいと思います。
そのゲームとはアクションパズルの「Catch the 47」
基本的なシステムは、中心となるピースを動かし、飛んでくるピースとかみ合う部分に接触させキャッチしながら、どんどんピースの塊を大きくしていくゲームです。

以前話したようにパズルゲームはそもそも題材が設定しにくく、題材論的には不利なジャンルです。
しかし、「Catch the 47」は、それを
「福島県のピースをコアにして、飛んでくる他の都道府県ピースをキャッチして日本地図を完成させていく」
という「福島GameJam」のテーマに沿ったわかりやすいイメージに落とし込むことで、「一言で説明しやすい」パズルゲームに仕上げているのです。

この題材選択のうまさは「福島ゲームジャム in 文化庁メディア芸術祭」を取り上げた小野憲史氏の記事の中でも

“一方、同じくオブザーバとして参加し、「パックマン」の生みの親として有名な岩谷徹氏は、かつて作ったアーケードゲームの「フォゾン」を思い出したとコメントしました。幾何学的なパーツを組み合わせて、分子構造のような構造体を作るアクションゲームでしたが、題材が地味だったこともあり、「幻の名作」という扱いに・・・。「日本地図のように、もっとわかりやすい題材にすれば良かった」という岩谷氏のコメントは、最大限の賞賛だったと言えるでしょう。”

と紹介されています。

前も言ったように、パズルゲームはアイデアの核1つでゲームを設計しやすく、かつプログラムの手間も比較的かからないため、紙の上だけでなく実際に動くものを作りたい人にとっては挑戦しやすいジャンルです。
だからこそ、そのアイデアを伝えやすくする題材との組み合わせをしっかりと考えたいものです。