2014年4月25日金曜日

【第45回】RPGとは何かを考えてみよう

ところで、前回は「その題材が向いているのは本当にRPGか?」を考えた訳ですが、そもそも皆さんの中でRPGと他のジャンルとの明確な区別はできているでしょうか?
「そんなの改めて考えるまでもないよ」とか言わずに、まずはあなたのRPGの定義(他のジャンルとは違うところ)を書き留めてみてください。

書き留めましたか?では、ちょっと考えてみましょう。
RPGというのはジャンル的な分類です。そして、以前お話したようにジャンルというのは一般的に認知されているシステムの集合体、そのラベルでしかないのです。
逆に言えばRPGという定義は、複数の特徴的なシステムを列挙すればいいということになります。さて、あなたの定義を見返してみてください。
「複数の」特徴的なシステムの列挙になっているでしょうか。

例えば、多くの人がRPG的と考える「経験値で成長するシステム」。
しかし、これを単体のシステムとして考えると、多くのジャンルで経験値のシステムが取り入れられていることに気づきます。むしろ、経験値のシステムが一度も取り入れられたことのないゲームジャンルを探す方が現在では困難なくらいです。

逆に海外のRPGでは、ぱっと見にはアクションゲームやTPS(三人称視点シューティングゲーム)にしか見えないものも多くあります。
しかし、いくつかの要素によって、これらのゲームはRPGに分類されている訳です。

RPGの定義に絶対の正解はありません。さきほど例に上げた経験値すら存在していないRPGも現実にあります。
しかし、今まで多くの人がRPGを定義してきていますので、そういったものを参考にしてあなたにとっての定義をしっかりと考えてください。

たとえば、『ゲーム企画塾』のアドバイザーであり、コラムも書いてもらっている簗瀬洋平さんは、Biowareのクリエイターの発言を元に、RPGを

  • 物語
  • 成長
  • 頭を使う要素

の3つの組み合わせではないかと分析しています。
この3つの要素それぞれを体験させてくれるシステムが集まっているのがRPGという訳です。

さて、あなたの中でRPGは再定義できたでしょうか。
場合によっては第44回に戻って再度「その題材が向いているのは本当にRPGか?」を考えてみてください。