2014年4月28日月曜日

【第46回】親子向けの題材を考えるメリット

前回は「RPG」というジャンル(ゲームシステム)が先にあって題材を決めました。
今回はちょっと方向を変えて、今回はターゲットユーザーを先に決めて題材を考えてみましょう。
お題は「親子で一緒に楽しめるゲーム」です。

このターゲットユーザーは石川が学生に教えるときに毎回のように出すお題です。なぜなら既存のゲームの枠に凝り固まっている頭をほぐすのに最適だからです。

  • 「親子で楽しめる」ゲームがほとんどないため、安易に既存ゲームを変形させるのではなく、1から考えなければならない。
  • 親と子という、まったく違った世代がどちらも楽しめるようにするにはどうすればいいかを考えなければならない
  • 多くの学生にとっては「親」でも「子(小さな子供)」でもないので、自分とは違う視点で考えなければならない

今回のターゲットユーザーは「親子」ですが、学生のみなさんは企画を考えるときに、ぜひ自分とは違う立場のターゲットユーザーをいろいろ選んでみてください。

  • OL向け
  • 定年退職した男性向け
  • 子育てをしている主婦向け
  • 小学生の女の子向け
  • スマホは持っているが一度もゲームをしたことのない社会人向けetc.

そういった人たちに向けてゲームを考えると、いい訓練になりますよ。


【お知らせ】
今年1月のBlog開始以来、ずっと週3回の更新を守ってきましたが、さすがに原稿のストックがなくなってきました。そのため、申し訳ないですが、ゴールデンウィーク期間は執筆に専念したいと思います。
次回更新予定は5/7(水)となります。ますますパワーアップする『ゲーム企画塾』にご期待ください!(タイトルにZとかRとかは付きませんがw)

2014年4月25日金曜日

【第45回】RPGとは何かを考えてみよう

ところで、前回は「その題材が向いているのは本当にRPGか?」を考えた訳ですが、そもそも皆さんの中でRPGと他のジャンルとの明確な区別はできているでしょうか?
「そんなの改めて考えるまでもないよ」とか言わずに、まずはあなたのRPGの定義(他のジャンルとは違うところ)を書き留めてみてください。

書き留めましたか?では、ちょっと考えてみましょう。
RPGというのはジャンル的な分類です。そして、以前お話したようにジャンルというのは一般的に認知されているシステムの集合体、そのラベルでしかないのです。
逆に言えばRPGという定義は、複数の特徴的なシステムを列挙すればいいということになります。さて、あなたの定義を見返してみてください。
「複数の」特徴的なシステムの列挙になっているでしょうか。

例えば、多くの人がRPG的と考える「経験値で成長するシステム」。
しかし、これを単体のシステムとして考えると、多くのジャンルで経験値のシステムが取り入れられていることに気づきます。むしろ、経験値のシステムが一度も取り入れられたことのないゲームジャンルを探す方が現在では困難なくらいです。

逆に海外のRPGでは、ぱっと見にはアクションゲームやTPS(三人称視点シューティングゲーム)にしか見えないものも多くあります。
しかし、いくつかの要素によって、これらのゲームはRPGに分類されている訳です。

RPGの定義に絶対の正解はありません。さきほど例に上げた経験値すら存在していないRPGも現実にあります。
しかし、今まで多くの人がRPGを定義してきていますので、そういったものを参考にしてあなたにとっての定義をしっかりと考えてください。

たとえば、『ゲーム企画塾』のアドバイザーであり、コラムも書いてもらっている簗瀬洋平さんは、Biowareのクリエイターの発言を元に、RPGを

  • 物語
  • 成長
  • 頭を使う要素

の3つの組み合わせではないかと分析しています。
この3つの要素それぞれを体験させてくれるシステムが集まっているのがRPGという訳です。

さて、あなたの中でRPGは再定義できたでしょうか。
場合によっては第44回に戻って再度「その題材が向いているのは本当にRPGか?」を考えてみてください。

2014年4月23日水曜日

【第44回】その題材に一番向いているのは本当にRPGか?

前回の続きになります。

③10個の題材の魅力は何かをそれぞれ考え、魅力が活かせる面白そうなシステムがイメージできるものを3つ選ぶ

前回、10個の題材についてその魅力を考える作業を行いました。
それらの魅力からおもしろそうなシステムがイメージできる題材を3つに絞り込みます。
ここではまだRPGはイメージしないように!
前回の魅力抽出と同じように、その題材にとって一番いいと思えるゲームのシステムやジャンルを選択します。

④そのシステムはRPGか。もしそれがRPGでない場合、RPGでしかできない切り口はあるか?

ここで初めてRPGとして成り立つかどうかを考えてみます。その題材にとって一番いいと思えるシステムはRPGでしょうか。もしRPGでない場合、題材の魅力を活かすRPGとしての切り口はないでしょうか。
もともと、RPG用として題材を洗い出しているので、3つのすべてがRPGに向かないということはあまりないとは思うのですが、もし3つともRPG向きでないと判断した場合は③に戻って次点の題材を3つ選び直して④を再実行します。

⑤④を受けて、3つの中で一番自分がおもしろそうと思える題材を1つ選ぶ

おつかれさまでした。ようやくRPG用の題材を1つ決めることができました!
第41回から4回に渡って題材を絞っていく作業を行いましたが、この方法は題材を絞るための基本となるサイクルです。ぜひいろいろテーマを変えてやってみてください。


2014年4月21日月曜日

【第43回】題材の魅力を考え、それからシステムをイメージする

RPG向けに100の題材を考えて絞り込む作業の3回目です。

③10個の題材の魅力は何かをそれぞれ考え、魅力が活かせる面白そうなゲームシステムがイメージできるものを3つ選ぶ。

この話は第39回「題材とシステムの親和性」でやりましたね。
今回はまずRPGというシステムを一度忘れ、「題材の魅力」を先に考え、そののちにそれが「ゲームシステム」とうまく繋がるかを考えていきます。

例えば「猫RPG」というのを思いついたときに、RPGというのは一度頭から消して猫の魅力を考えてみる。

  • すましているのにときどきオバカをやる
  • 仕草が可愛い
  • 室内でも飼える
  • 何を考えているか分からない
  • 自由気ままに生きている感じがする etc.

ぱっと見た目にはRPGらしい切り口がなさそうです。しかし、それが大切なのです。
最初から「猫RPG」で考えてしまうと、どうしてもRPGっぽい切り口を先に考えてしまって、猫という題材の魅力を殺してしまうからです。

これは版権タイトルモノでも起きがちな問題です。
特にスケジュールや予算が限られている場合、手持ちのゲームシステムを流用しようとして、そこに無理矢理版権タイトルを当てはめてしまい、そのタイトルの魅力を殺してしまうことも出てくるのです。

「【第39回】題材とシステムの親和性」でも話したように、題材先行の場合はゲームシステムはその題材の楽しさを最大限に引き出すよう設計しなければなりません。
まずは題材の魅力、楽しさとは何かを考え、そののちゲームシステムを当てはめるようにしていきましょう。

2014年4月18日金曜日

【本】∞アイデアのつくり方

え~、本編の執筆速度カバー企画第2弾(笑)として書籍の紹介もときどきやろうと思います。
今回は「∞アイデアのつくり方」(高橋晋平・イースト・プレス)です。


Kindle版


書籍版

 著者はバンダイで「∞プチプチ」とかを商品化した方のようです。
第41回で題材を100個出させましたが、具体的なアイデアの出し方にはあまり触れませんでした。
この本は「、最高のアイデア発想法は、最も楽して効率よく、大量のアイデアを出し、そこからいいアイデアを拾う方法である」という発想のもと、楽してアイデアを出す方法として『アイデアしりとり』というのを提唱しています。

基本は考えたいテーマに対してしりとりで次々に出てくる言葉から連想されるアイデアを考える方法ですが、それ以外の方法や、一度絞り込んだアイデアからさらに広げる方法などが、アイデアを大量に出し絞っていく手順についてわかりやすく書かれています。

ちょっとおもしろいのは、アイデア発想のオーソドックスな手法である『オズボーンのチェックリスト』を
「オズボーンのチエックリストでは、発想の方向性が限定されすぎてしまい、一つ一つ、どう発想をアレンジするかを考えるのに立ち止まってしまいます。こうなるとスピードが落ちて効率も悪くなりますし、頭も疲れやすくなります」
と言い切っているところですね。
「アイデアを散らかすためには、自分の考え方の癖や思考の枠からはみ出すことが必要です。そのためには、自分に考える暇を与えないスピードが必要になります。そのスピードを与えるために、ルールがないに等しい「しりとり」という方法を使うのが最適なのです」
というのが著者の主張です。

実際に『オズボーンのチェックリスト』で効率が悪くなるかどうかはさておき、この本の手法は非常に具体的でかつ実践しやすいものなので、あるテーマで大量にアイデアを出したいときなどは、私もよく使わせてもらっています。
Kindle版はかなりお安いですし(2014/04/18現在\580)、アイデア発想法の1つとして読んでみるのもいいのではないでしょうか。

2014年4月16日水曜日

【第42回】題材論を思い出して絞り込む

RPG向けに100の題材を考えて絞り込む作業の2回目です。

②その中で題材として優れていそうなものを10個選ぶ。

「理論編」でやってきた題材論に沿って、よさそうな題材を選んでいきます。
100個の中から10個に絞ってみましょう。


よさそうな題材を選ぶ方法は何回か理論編でやりましたね?

  • 競合の少ないBの領域のものはないか?(第25回第29回
  • Cの領域で手堅く狙えるものはないか?(第25回第29回
  • EからDにシフトできるものはないか?(第32回第33回
  • AからBにシフトできるものはないか?(第34回

また、題材で注意するべきポイントも抑えておきます


さて、これで10個に候補が絞られました。次回でさらに絞っていきます。

2014年4月14日月曜日

【第41回】RPG向けの題材を100本考えよう

今回から「題材からの企画・実践編」として、いよいよ実際に企画書を完成させるまでをステップ・バイ・ステップで進めていきたいと思います。

以前から話しているように、とりあえず題材を決めて企画書を作るという前提で話を進めてきましたので、まずは題材を決めなければいけません。
だからといって、いきなり有利な題材を考えろといっても、なかなか思いつかないと思います。
そこで、今回はルールを決めて題材を考えたいと思います。

今回のルールは「RPGと組み合わせたらおもしろそうな題材を考える」です。ファンタジーやSFといったありきたりな題材ではなく、頭を一度からっぽにして題材を考えていきます。
そのために今回は記入シートも用意しました。Word形式とpdf形式の2つを用意しましたので、ダウンロードして使いやすい方で使ってください。(今回はそんなたいしたシートではないので、ノートとか
でも問題はないですw)



題材発想シートをダウンロード(zipファイル)


何回かにわたってそのステップを説明していきます。まずは…

①RPGと組み合わせたらおもしろそうな題材を100考える

ここでは題材の有利不利とかを考えないで、とにかく思いついたものをどんどん上げていきます。
100個は大変なように思えるかもしれませんが、とにかく自分で評価のフィルタをかけずに、思いついたものをどんどん書いっていくと案外書けるものです。

どうしても100個題材を出せずに詰まる人は、新聞とか総合雑誌といった、いろいろなタイプの記事が載っているものを読みながらアイデアを拾ってみて、とにかく100個ピックアップしてみてください。
慣れてきたら30分もかからずに100個の題材を書くことができるようになります。

2014年4月11日金曜日

【補講】敵を知り己を知れば…

今回からときどき、本編に関連した補足や質問の答え、関連した時事ネタ等をときどき「補講」という形で取り上げていきたいと思います。今回はその1回目です。

この『ゲーム企画塾』を読んでいる方から
「自分が作りたくても、不利な題材は企画しない方がいいのでしょうか?」
という質問を頂きました。

結論からいうと「題材として弱いから作るな」ということではありません。
自分の企画が題材としてどのくらい弱いかを正確に把握することで、その不利を他のどこで補うかをきちんと考え、全体としては企画を成功に導く。
そのために、題材という初動にとってとても大きな要素をきちんと理解しておくことが必要なのです。
まさに孫子の兵法でいうところの「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。

ただ、本編でも何度か話したように、いくらゲームシステムをおもしろくしたからといって、それで題材の不利をひっくり返せる局面はほとんどありません。
題材が不利であるならば、別の所から「おもしろそう」なイメージを与えるためのアイデアを真剣に考え、提案することが大切です。

不利な題材と分かっていても、どうしてもそのゲームを作りたい情熱があるのなら、その情熱の一部を「題材に変わるおもしろさ」を真剣に考え提案する方に振り分け、ぜひあなたの企画を成功に導いてください。

2014年4月9日水曜日

【第40回】題材からの企画・理論編のまとめ

今回で第2章「題材からの企画・理論編」は終わりです。
第2章の内容をおさらいしてみましょう。

■題材を最初に決めるメリットは多い



■題材とジャンルとテーマを混同しないように



■有利な題材とは何か?



■学生の企画には多いけれども売りにくい題材



■限られた中で有利な題材を生み出す方法



■一見有利な題材で注意すべき点




さて、次回は1回番外編を挟んで、そのあといよいよ第3章「題材からの企画・実践編」に入っていきたいと思います。

その前に1つお詫びなのです。『ゲーム企画塾』は2014年1月の開始以来、ずっと週3回の更新を守ってきましたが、さすがにちょっと執筆が追いつかなくなってきました。
今後もコラムや番外編など含め週3回の更新は目指したいと思いますが、本編の更新については週1~2回程度となりそうです。本Blogを応援してくださっている方には申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

では、来週からの第3章「題材からの企画・実践編」をお楽しみに!

2014年4月7日月曜日

【第39回】題材とシステムの親和性

「題材からの企画・理論編」では、ユーザーは「題材」そのものから与えてくれる楽しさを予想することができる、だからこそいい題材には利点があるのだという話をずっとしました。
逆に言うと、題材を先に決める場合、ゲームシステムはその題材の楽しさを最大限に引き出すよう設計しなければなりません。

題材がゲーム体験の期待である以上、題材からイメージされる体験を裏切るゲームシステムは逆効果です。
有名版権モノを安易にパズル化したゲームなどは、この悪い代表例でしょう。
作り手側からすれば、すでにあるパズルシステムに有名版権を被せるだけですから簡単にタイトルを投入しやすいのでしょうが、遊ぶ側からすれば「なぜパズル?」ということになり、結果題材のメリットをまったく活かせない形となります。

そのためには、まず題材に一番合うシステムが何かを冷静に見極める必要があります。
「プレイヤーが何を体験したいか、問題解決したいか」という視点で題材を考え、その問題解決に適したシステムを選ぶことです。

例えば、ジャンプの対決マンガなら「主人公のように相手をぶっとばしたい」対戦格闘が向いているでしょうし、戦争モノなら「戦闘指揮官になって特定の陣営を勝たせたい」ストラテジーの親和性が高いでしょう。

その題材を表現するのに一番いいシステムではなく、自分が好きなジャンルや、自分がやりたいだけのシステムになっていないか、しっかり見極めてください。

※次回更新は2014/04/09(水)の予定です!

2014年4月4日金曜日

【第38回】題材と製作コスト問題

以前、ファンタジーは題材論的には売れない題材であるという話をしました。しかしながら、制作という視点から見ると別の問題が浮き上がってきます。
それは、現実に近いほどユーザーがディテールまで想像しやすいという問題です。
そのため、特に実写的な表現のゲームでは、相当なところまで画面を作り込まなければならず、その調査コスト、再現コストが膨大になってしまうことがあるのです。

以前、学生から「世界の主な観光地を3D画面で楽しめるリアルな旅行ゲーム」という企画が出てきたことがありますが、これなど、もし実現しようとしたらどのくらいのお金がかかるでしょうか?

それに対してファンタジー世界であれば、極端な話どのように描くかは作り手の自由です。
一時期、スマホのゲームでやたらカード型のファンタジーゲームが多かったのも、ファンタジーならカードのキャラクターを複数で描くときに、全体的な統一感をあまり考えないで発注できる(=世界観の統一にコストをかけなくて済む)という利点もあるのです。

ちなみに、日本においてスマホゲームのファンタジー設定がかなり適当でも許されるのは

  • 西洋ファンタジーを文化として持っていない
  • スマホゲームでまだそこまで世界観を必要としていない
  • ライトノベルなどで軽いファンタジー設定のものが多い

といった背景があるからではないかと思います。
今後、海外での展開が前提の企画となると、今のような製作都合で安易にファンタジーを選択するのは難しくなっていくのではないでしょうか。

話を戻すと製作コストによる題材選択の問題は、学生さんが書く企画書では制作まで考慮する訳ではありませんので、さほど気にする必要はありません。
ただ上記で例示した観光ゲームのように、誰の目にも製作コストとのバランスが大きく欠けているものは、やはり問題視されますので、注意してください。

※次回更新は2014/04/07(月)の予定です!

2014年4月2日水曜日

【第37回】ミステリーゲームの落とし穴

前回の問題解決したくなる題材の話に関連して、今回はミステリーという題材について話をしたいと思います。

ミステリー小説は小説のジャンルの中でも人気の高い分野です。売れている小説のランキングを見れば、かなりのタイトルをミステリーが占めています。
しかしながら、それらをゲームにしようとするときには注意が必要です。
それは、多くのミステリーゲームで行われている「プレイヤー=探偵役」というフォーマットが、はたしてミステリー小説のような楽しさを生むのか、という問題点なのです。

探偵ミステリー小説の代表であるシャーロック・ホームズを例にとりましょう。
ホームズはすばらしい推理力で次々と難事件を解決します。だとすれば、プレイヤーがホームズになりかわって問題解決したくあるような気もします。
でも、小説を読んでいるとき、みなさんはホームズの立場になって、真剣に謎を解き明かすことがメインの楽しみなのでしょうか。

もちろんそういう人もいると思いますが、実は
「自分がホームズになって謎を解き明かしたい」
のではなく、
「自分が思いもよらなかった視点で謎を解き明かすホームズの推理を聞きたい」
という人も多いのではないでしょうか。
多くの読者が求めているのは、謎を考えることではなく、あざやかな謎解きを聞いて驚いたり納得したりするということ。つまり、こういった読者の位置は実はホームズではなくワトソンに近いということになります。

となると、もしゲームでのプレイヤーの位置をホームズに置くとやっかいなことになります。
「自分が思いもよらなかった視点で謎を解き明かすホームズの推理を聞きたい」
ということは、ゲーム内では謎の意外性が優れていればいるほど「自分が思いもよらない」ので謎が解けないというジレンマに陥るのです。

小説の中ではあんなに颯爽としている名探偵が、自分がプレイするとたんに証拠も見つからず、ひらめきも起きず、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ・・・
これでは探偵ミステリーに求めている爽快さなど期待できません。
(逆に言うと、成功しているミステリーゲームは多くの場合、何らかの形で上記の問題を突破しようというアプローチが感じられます)

以上のように、小説というフォーマットでは成功する題材でも、そのままゲームに持ち込もうとすると問題が起きることがあるのです。
人気のあるミステリー小説だからといって、「プレイヤー=探偵」と安易に考えず、プレイヤーが参加したくなるポイントをどこに置いて、そのシステムをどうすれば爽快感が損なわれないかを見極めた上で作らないと、ゲームとしては失敗してしまうのだということをよく理解しておいてください。

※次回更新は2014/04/04(金)の予定です!